お彼岸にお墓参りをする方は多いと思います。わたしもその一人です。
でも、「お彼岸にお墓参りをするのは何故?」と疑問に思ったことはありませんか。
子供の頃は、「親たち、大人たちがそうするから」ということで疑問を持たずにお盆にお墓参りに行っていましたが、自分がするようになって少し疑問に思ったので調べてみました。
また、そう考えると「お彼岸ってそもそもどういうものなの?」という疑問も沸いてきますね。
そして、お彼岸の時のお供え物についても「ぼた餅」が良いのか、「おはぎ」が良いのか、迷いませんか。
今回は、
- お彼岸の由来や意味は?
- お彼岸に、なぜ、お墓参りをするのか?
- お彼岸のお供え物は「ぼたもち」、「おはぎ」 どっちなの?
の3つの疑問を解決してみたいと思います。
お彼岸の由来や意味は?
お彼岸は仏教用語です。(ちなみに仏教というのは、中国やインドといった外国から伝わってきた外来の宗教です。)
サンスクリット語のパーラミター「波羅蜜多」が語源とされていています。
パーラミターとは「到彼岸」、つまりは煩悩や悩みを越えて到達する悟りの境地のことを言います。
「彼岸」は、極楽(あの世)のことを表しています。
それに対して、煩悩や悩みに溢れた私達が住む世界を「此岸(しがん)」と言い「この世」のことを指します。
此岸にいる者が「布施」、「持戒」、「忍辱」、「精進」、「禅定」、「智慧」の6つを修業することで、彼岸に行くことができるとされています。
ちなみにこの6つの修業のことを「六波羅蜜」と言います。
また、仏教の西方極楽浄土の教えにより、「十億万仏土先の西方には阿弥陀如来がいるとされる浄土がある」、言われていることから、「昼と夜の長さがほぼ同じで」、「太陽が真東から昇って真西へ沈む」春分の日や秋分の日を中日として前後3日計7日間を「彼岸」と読んでおり、この期間に修業をするのがよいとされていたのです。
お彼岸に、なぜ、お墓参りをするのか?
お彼岸に墓参りをするのは日本独特の風習で、中国やインドやその他の仏教国では見られない風習です。
「彼岸」自体は、仏教の教えなのですが、「お彼岸」というものについては日本でのみ行われます。このことを「彼岸会(ひがんえ)」と言います。
日本には、古来より農耕儀式や自然崇拝の考えがあり、「種を撒く時期(春)」や「収穫の季節(秋)」には五穀豊穣や安全を山や先祖に祈願しました。
また、仏教の伝来前より「神道」と言って、万物に神様が宿るという考えが日本にはあります。(八百万の神)
太陽も神様として崇められていたことから、そこに仏教の西方浄土の教えが伝わったことで、太陽が最も真西へ沈む(西方浄土)春分・秋分の日に先祖を供養するのがよいと説が有力です。
お彼岸のお供え物は「ぼたもち」、「おはぎ」 どっちなの?
お彼岸のお供え物は「ぼたもち」や「おはぎ」が良いと思います。
では、「ぼたもち」と「おはぎ」は何が違うのでしょうか?
結論を先に言ってしまうと、「ぼたもち」も「おはぎ」も全く同じ食べ物で、呼び名が違うだけです。
材料から作り方まで全く同じなのです。
では、なぜ、同じものなのに「ぼたもち」、「おはぎ」と別々の言い方をするのか?
それには日本の四季が関係しているようです。
「ぼた餅」は漢字で書くと「牡丹餅」、「おはぎ」は「お萩」と書きます。
すなわち、「ぼた餅」は春に咲く牡丹、「おはぎ」は中秋の名月に供える「萩」から名付けられているということなのです。
ちなみに、お彼岸に「ぼた餅」や「おはぎ」を食べる理由・・・
それは、材料に使われる小豆の朱色が、「災難から身を守る除厄の効果がある」と言われているからです。
編集後記
如何でしたか?
もうひとつ一緒に覚えておくと良いのが、「参り」と「詣り」の漢字の違いです。
なぜ、「お墓詣り」ではなく、「お墓参り」なのでしょうか?
実はこれはとても簡単で、「お参り」という場合は「仏様」、「お詣り」という場合は「神様」が対象だからです。
ですので、「お墓参り」となるわけです。