仕事を辞めるときに確認しておきたいこと
近年になって働き方は一層の多様性を見せており、従来の年功序列と終身雇用制度は崩壊しつつあると言っても過言ではないでしょう。そう遠くない未来に、キャリアの途中で仕事を辞めることはむしろ当たり前、といったような世の中になっているかもしれません。
でも今は、現状に不満を感じてはいるけれども、それを理由に仕事を辞めると決めても大丈夫だろうか、と思いわずらっている方が多いのではないでしょうか。退職について判断をする時にチェックしておくべき点がいくつかあります。
仕事上の特殊な経験を有していて、転職先に自信を持って訴えることができるような能力を持っているならば、それは強みになります。ほかの人には無い経験を積んでいる人は、それがどんなものであれ採用担当者からは魅力的に見えるものです。
経験の有無は仕事を辞めるのであれば最大の武器になります。加えて、さまざまな人との交流関係を持っていれば、転職することになったとしても次の職場でもそれを活かしてやっていくことができます。
そうした関係はビジネスをしていく上でかなりの強みになりますので、幅広い交流関係を持っていることをアピールできれば転職に有利になります。例えば、ヘッドハンティング会社の人から少しでもオファーを受けたことがあるのであれば、十分に魅力的な人物といえます。
引き抜きの話がくるほど何か売りにできる点があるならば、今の仕事を辞めることになっても心配しなくても良いと思われます。ここで挙げた項目に一つでも当てはまるのであれば今の仕事を辞めて、転職によるステップアップを考えてみてはいかがでしょうか。
仕事を辞めるか辞めないか悩んでいる時には
日々の生活をきちんと送っていくためには、何かしらの仕事に就いて収入を得ている必要があります。仕事内容や待遇に問題を感じていても、生活のことを考えて辞める決断ができずにいる人もあるかもしれません。
たとえ現状に不満があったとしても、仕事を辞めるとなると迷ってしまうのは、その後の生活や収入に不安を感じるからでもあります。現在感じている不満の内容によって、仕事を辞める際に具体的にどんなことを考えていけばいいのかが異なってきます。
日本では仕事を辞めるというとネガティブにしかとらえられない時代もあったわけですが、最近ではむしろ転職経験があることがプラスにとらえられることも増えてきました。
不満のある仕事を続けているという自覚があるのであれば、メンタルヘルスの上で問題が生じないうちに仕事を辞めるというのも選択肢に入れておきましょう。一日の中で仕事をしている時間はけっこうな時間になりますので、いずれは精神的に問題を起こしてしまいかねません。
とはいえ、仕事を辞めるというのは容易い作業ではありませんし、辞めたら辞めたで新しい仕事が見つかるかどうかという問題を抱えることにもなります。新たな職場でも何かしら不満が出てきてしまうのではないかと考えてしまうかもしれません。
しかし、何もしなければその不満が解消することもないので、選択肢は持っておくべきかと思います。仕事をしていることに人生の意味を見いだせるような人であれば多少の不満は無視できるかもしれません。
しかし、そうでない場合は思い切って仕事を辞め、別の仕事に移ってみてはどうでしょうか。仕事を辞めることによっていったんストレスフリーの状況に身を置いて、他の仕事をじっくり選んだり、疲弊した心を癒やす時間を取ってみてはどうでしょうか。
何もしなければ現在感じている不満が解消することはありません。思い切って仕事を辞めてみるというのも選択肢に入れてみるようにしましょう。
仕事を辞めるかどうか悩んだ場合にしておくべき事
仕事を辞めると決めて、すぐに勤めている会社を辞められる人はそう多くないないはずです。可能ならば円満な退職を目指したいものですが、状況によってはそうすることが難しいケースもあります。
仕事を辞めることにしてから退職日に本当に辞めるまで、きっちりと片付けておいた方がよいことが何件かあります。会社を辞める際の不文律として、一ヵ月前には退職の意思を明らかにするように言われることがありますが、それでは足りないこともあります。
会社によっては引き継ぎする期間が必要である為、3ヶ月前とか責任者や管理職の場合は半年前からというケースもあります。逆に、臨時職であったり、同じ仕事をやっている人が他に何人もいるような場合であれば、ひと月よりも短くても大丈夫かもしれません。
いずれにしても、辞めたいのに辞められないという状況になってしまうことが無いように、退職までのスケジュール管理はしっかりしておく必要があります。
今の職場を辞めた後に別の職場で採用されることがすでに決まっているのなら、その職場にいつから行くことになるのかによって今後の日程が変わってきます。採用してくれる職場がすでに決まっているのなら、そちらに迷惑にならないように、スムーズに退職できるような日程を考えるべきです。
今の職場に辞めると告げても引き留められているというケースでも、次に採用してくれる職場がすでに決まっていることを告げてスムーズな退職を心がけるようにしましょう。
事前に準備しておくべき事は、引き継ぎをしっかり行える期間や方法を確認して、引き継ぎ書類などを作成しておくことです。仕事を辞めるにあたって、社会人としての最低限の配慮として、退職後の会社の職務が滞りなく進むように配慮する必要があります。
退職を考えるときはその後の仕事について考えるとき
会社を退職することを考えていると、仕事を辞めた後のことばかり気になって、どのように辞めるかに気が回らなくなることがあります。今の会社の仕事の辞め方というのが、転職後の仕事にも関係してくることもしばしばあります。
仕事の辞め方というのは、退職の際の職場との関係性がどうだったのかということですし、退職を円滑に進めることができたかということです。現在仕事をしている会社を退職することなく、新たな会社で仕事をすることはできません。
退職前に採用が決まっていたとしても、その点は頭に置いておく必要があります。まったく別の業界で就職するのでもなければ、以前の仕事先でどんなふうに働いていたのか、あるいはどんなふうに退職したのか、といったことは自然と伝わるものです。
元の仕事先でどんなふうな働き方をしたのかとか、退職の時はどんなふうだったかについて、次の仕事先の担当が元の仕事先に照会することもあります。今の会社の仕事の辞め方がよくないと、転職後の会社での仕事に差し障る可能性があります。
このため、退職する際には、元の会社との間に問題を起こさないよう、きちんと対処することが大事になってきます。会社を辞めることを決めたなら、実際に会社に申し出る前に、慰留されても心が変わらないことを自分自身に確認するようにしましょう。
退職を言い出した時に今よりもいい条件を提示されたら職場に残ってもいいと考えているのなら、退職したいという言葉は使わない方がいいでしょう。いったん退職を申し出ると、それ以降いつか退職しかねない人物という扱いを受けることがあります。
そうなると、以降の仕事に問題を抱えることになりかねません。退職を切り出す時には、現在働いている会社の仕事が滞りなく進むよう、ちゃんとした配慮をすることが不可欠です。