外国為替の市場はどこにあるのか誰がどの様に取引をしているのか
資産運用を目的として外国為替の取引を始める人が増えています。外国為替取引をする場所を市場と言いますが、それがどこか知らない人は多いようです。よくニュースなどで見る株式市場は、刻々と変化し続ける株式の数字を前にして、たくさんの人が行き来している情景です。
株式市場のイメージから、外国為替にもどこかに同じ様な市場があると思ってしまうのです。実際のところ、外国為替は株式のような取引のための市場はなく、架空の市場での取引という形になっています。
株の売買のように取引所を利用せずとも、外国為替は金融機関ごとに取引が可能です。外国為替では、売る側と買う側が売買を成り立たせるための手段として、ネットや電話を使っています。
インターバンク市場、または銀行間市場と呼ばれる、金融機関同士の外国為替取引を総称して、外国為替市場という言い方をします。外国為替による売買をしたい人は、インターバンク市場に参加するために、金融機関にお金を預けることになります。
外国為替市場は、インターネットや電話で取引されるので、月曜日から土曜日までの間、24時間休みなく行われています。株式の取引をしている証券取引所は、決まった時間の中でしか取引はできませんが、外国為替取引はいつでもどこからでもできます。
外国為替に関係するニュースでは、ニューヨーク外国為替市場とか、東京外国為替市場という表現をすることがあります。本当に市場と呼ばれる場所があり、人が行き来するような印象もありますが、実際は金融機関が外国為替取引をしているだけなのです。
FXの基礎知識としての外国為替の市場について
ＦＸは、外国為替の取引の一つとして多くの人が利用しており、興味を持っている方は少なくないようです。ＦＸを始める前に、外国為替の売買について大まかな仕組みを理解しておくと役に立つでしょう。
ニューヨークや東京の外国為替市場の取引についてはニュースでもよく取り扱われていますし、ＦＸをする人にとっては常識と言えます。外国為替の取引は、一般的な商品の取引に使われる市場と呼ばれる施設はなく、外国為替市場はいわば仮想の場となっています。
外国為替の取引は、電話やネットを使って売り手と買い手が取引をしていますが、取引が盛んになる時間があります。取引の中心地になっている場所や国を指して、東京外国為替市場とかニューヨーク外国為替市場と呼んでいるわけです。
外国為替市場では、日本円を売って、米ドルやユーロを買ったり、その逆の通貨取引をしているという状況になります。通貨同士の交換比率のことを為替レートと言います。売り手と買い手の求める取引量によってレートは変わります。
為替レートの性質を使い、外貨の価値が上下する時をうまく狙って売買をする資産運用方法がＦＸです。為替レートがこれから先どう推移していくかを予測しながら、ちょうどよく売買をするために、ＦＸでは為替市場の注視が重要です。
国内のお金の動きだけでなく、景気や雇用、国家間の貿易摩擦や紛争、日銀の政策なども為替レートには影響しますので、広くアンテナを立てる必要があります。外国為替の市場は常に変動しているものであるため、大きな利益を得るチャンスも少なくないと言えるのです。
為替相場が変動する基本的なメカニズムとは
為替相場というのは、外国為替市場において異なる通貨が交換されるときの交換比率を指しています。特に日本でよく見かける為替相場は、円とドルの相場ですが、もちろん他にも様々な通貨の組み合わせの相場が存在します。
市場参加者が、今、どの通貨を保有したいと思っているかによって、為替相場の値動きが大きく変わります。例えば、日本の企業が日本の製品をアメリカに輸出した場合、その代金は米ドルで受け取ります。
その米ドルは一旦日本円に交換され、会社の収益や、社員の給与になるわけです。その時々の為替相場に応じて、アメリカドルが、日本円で何円に相当するのかは違うものになります。
日本からの輸出が増えると、先ほどのような取引が増えて円の需要が高まり、為替相場は円高ドル安の方向に進む可能性が高まります。もちろんこれは逆になっても同じなので、アメリカからの日本への輸出が増えれば、円安ドル高の方向に進むことになります。
投資家がどの通貨を買っているかや、政治家の行動、国の安全保障や景気も、為替相場に関係します。日本の投資家がアメリカ株券や債権を買うには、日本円を売ってドルを買う必要があります。
円高になるのは、国家間の貿易額だけでなく、日本円で資産運用をしたい投資家がどれほどいるかも影響します。為替相場の値動きは、国の金利政策や、国家間の関係性のほか、自然災害や、政治的リスクなど、経済に影響を及ぼす幅広い出来事で変動しているのです。