就職活動にはノウハウの習得が必要
就職活動とは、最近では就活と略して呼ばれることが多いようですが、読んで字のごとく職業に就くために活動することを言います。就職活動を行う人は学生または失業者であり、職業に就いたまま行うものに関しては転職活動と呼ばれています。
転職活動は就職活動とは別のものとして扱かわれていることが多いようです。大学生や、短大生が在学中に就職活動をしている状態を新卒といい、卒業してから就職活動をしている人を既卒と言い習わします。
数十年前の日本の企業は、終身雇用制と年功序列制度で成り立っていました。現在では、転職する人も増えており、一つの会社に長く勤める人だけではなくなっています。
短期間で仕事を転々とする人が増える中で、新卒で採用された人が、3年以内に次の転職先を求めて活動している状態のことを第二新卒といいます。就職試験においては、多くの場合は筆記や面接などが設定されておりそれらに合格しなければ内定をもらうことは出来ません。
企業によっては、複数回の面接を重ねることもあるようで、内定を手にするまでにはいくつもの関門をクリアしなければならないようになっています。これらの関門を超えるために役立つ受験対策や面接対策などのノウハウが生まれたり、多くの講座が開かれるようになっています。
企業側も、求める人材を見つけ出すために、工夫をこらした採用試験の内容を考案したり、独特な面接スタイルを編み出したりと様々なことをしています。
希望の職種に採用されるためには、どういった取り組みが有効なのか、就職支援会社などは研究を続けています。どんなやり方が就職活動を成功に導くのか、成功者の話や、就職活動の講座などを参考にして、方策を確立させるといいでしょう。
公務員になるための就職活動
国家公務員や地方公務員共になるための就職活動は、民間企業への就職活動とは異なる部分があります。公務員試験を受ける場合、一次の書類試験に合格するために受験勉強をしておかなければなりません。
就職希望先が民間の場合は、面接対策のほうが重視されますが、公務員試験を受ける時には、まず筆記対策が重要です。なりたい公務員の内容によっては、二次試験でもっと専門的な試験を受けることになりますので、さらに勉強が必要です。
公務員試験を受けるための予備校もありますし、人によっては大学1~2年のうちから勉強を開始します。予備校に行って、公務員になるための試験対策を教わったり、勉強の仕方を知ることは、とても重要な意味を持ちます。
公務員試験の倍率は、そのときの時代の景気によっても大きく左右される傾向があります。バブル経済がはじけた1990年代後半から、倒産の心配がない公務員の倍率がいきなり増えたりもしました。
景気がよくない年になると、民間企業の求人数が減り、競争倍率がどこも高くなりますので、就職先を探す人があふれます。景気が悪い年は、民間企業の存続が危ぶまれるようになって、安定している公務員に人気が集中します。
人気が集中した時は、一般職や、事務職につくために、100倍の難関を突破する必要がありました。就職先に公務員を希望するなら、早期から試験対策をしておきましょう。経済情勢が悪化すると、一気に狭き門になってしまいます。
民間企業に就職するための就職活動
高校生が就職活動を行う時には、高校に掲示される求人票を通じて仕事を探すという形になっています。高校生が求人を見る場合は高校の進路相談を利用します。ハローワークや、就職説明会には行きません。
バブル崩壊前までは就職先も豊富にあったので、専門学科を卒業した人たちは、学校で学んだ技能を生かせる職業に就くことができていました。高校の普通科を卒業した人でも、就職してからスキルを身につければ問題なく働くことができたため、特別なスキルや資格を持っていない状態でも就職活動が可能でした。
バブルの崩壊後の景気が悪くなった時代は、それまでは中卒の就職活動先であった単純作業を行う職業にも高校生が採用されるようになりました。その影響により、高校生の就職活動先であった、大学で学ぶような知識や教養を必要としない職業に、大卒者が採用されるといった状況が起こりました。
バブル経済が崩壊した後や、リーマンショックが起こった後など、景気が急に悪くなると各企業は採用を減らすようになり、その影響が出るようになります。希望の職業につけなかったために数年で仕事を辞めてしまったり、正社員になれずに働きながら就職活動を続けるような人も増加します。
景気回復の兆しが見られず、長引く先行きの不安感から、これまであった終身雇用制も無くなりつつあり、正社員ではなく自由な働き方を希望する人も増加してきました。
逆に、景気が上向くと、各企業は一気に採用人数を増やすので、採用倍率が低くなって、企業が必要な人材が確保できなくなってしまいます。
企業は優秀な人材を確保するために内定時期を早めるケースが多く見られるようになり、あまりに早まってしまった就職活動の開始時期に関して政府より方針が示されました。
景気や時代背景によって民間企業への就職活動は常に変化するものであるので、目先のことで一喜一憂することなく、余裕を持った就職活動を心がけるようにしましょう。